はじめに:家族全員で楽しむ「多頭」旅行のハードル
赤ちゃんとペット(犬や猫)が一緒にいる生活は、喜びや賑やかさに満ちています。しかし、この愛する家族全員を連れて「旅行に行く」となると、その準備は格段に複雑になります。旅行先の選定、移動手段、宿泊先の条件、そして何よりも赤ちゃんの快適さとペットの安全を両立させるための細かな配慮が必要です。
この記事では、赤ちゃんとペットとの旅行をストレスなく成功させるために、出発の数週間前から当日までに必要な準備のステップ、持ち物リスト、そして代替手段の選定について、解説します。
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Ⅰ. 旅行計画の初期段階:目的地と宿泊先の選定(3ヶ月前〜)

多頭(多家族)旅行の成否は、適切な目的地選びにかかっています。
1. 「赤ちゃんOK」と「ペットOK」のダブル条件を満たす
- 宿泊施設の選定:
- ペット可の範囲確認: 「犬のみ」「小型犬のみ」「ケージ必須」など、規約を詳細に確認します。特に猫は不可とされる場合が多いので、事前の確認が不可欠です。
- 赤ちゃん向け設備の確認: ベビーベッド、オムツ用ゴミ箱、離乳食の温めサービスなど、赤ちゃん向けの備品やサービスがあるか確認します。
- 隔離スペースの有無: 宿泊する部屋に、赤ちゃんが昼寝をするスペースや、ペットのケージを置ける独立したスペース(和室や広めのリビング)があるかを確認しましょう。
2. 移動時間と環境の検討
- 長時間移動の回避: 赤ちゃんもペットも、長時間乗り物に乗るのは大きなストレスです。車での移動時間は最大3〜4時間程度を目安に、休憩を多めに取る計画を立てましょう。
- ペット同伴可能な休憩場所の確認: 高速道路のサービスエリアや道の駅で、ペットがリードで安全に歩けるエリアや、赤ちゃんのおむつ交換・授乳ができるスペースを事前に調べておきましょう。
3. 緊急時の医療体制の確認
- 動物病院の検索: 旅行先の近隣にある動物病院の場所と連絡先を控えておきましょう。夜間救急に対応している病院があれば、万が一の事態にも安心です。
- 小児科の検索: 赤ちゃんの急な体調不良に備え、宿泊施設から最も近い小児科の場所も把握しておきましょう。
Ⅱ. 出発前の健康管理と準備(2週間前〜)
出発直前に慌てないよう、ペットと赤ちゃんの健康状態を万全にしておきましょう。
1. ペットの健康チェックと予防接種
- 獣医師による健康診断: 旅行の2週間前までに、かかりつけの獣医師に健康診断を受けさせ、旅行に行っても問題ないか確認します。
- 予防接種・ノミダニ対策: 狂犬病や混合ワクチンの証明書(宿泊施設で提示を求められる場合がある)を準備し、ノミ・ダニ予防薬の投与を済ませておきましょう。
- 乗り物酔い対策: 犬の場合、乗り物酔いをする体質であれば、獣医師に相談して酔い止め薬を処方してもらうことも検討します。
2. 赤ちゃんの生活リズム調整
- 睡眠時間の把握: 旅行中もなるべく自宅での昼寝や夜の睡眠時間を崩さないよう、旅程を組みます。移動時間を昼寝の時間に充てるなどの工夫をしましょう。
- 離乳食のストック: 旅行先で手に入りにくいベビーフードは、必要量をストックしておきましょう。
3. 「隔離と慣れ」の練習
- ケージトレーニング: ペットがケージやクレートの中で落ち着いて過ごせるよう、事前にトレーニングを重ねておきましょう。宿泊施設での滞在時や車での移動時に役立ちます。
- 赤ちゃんとの距離感: 見知らぬ環境でペットが興奮し、赤ちゃんに近づきすぎたり、逆に過度に遠ざかったりしないよう、日頃からリードやサークルを使った距離感の練習をしておきましょう。
Ⅲ. 【当日の安心】持ち物チェックリスト

赤ちゃんとペット、それぞれの必需品を忘れずにパッキングしましょう。
1. 赤ちゃん用品のリスト
- 衣類: 予備も含め、日数+2着程度。
- 衛生用品: オムツ(日数分+予備)、お尻拭き、おむつ処理袋(消臭機能付き推奨)、ベビー用爪切り。
- 授乳・離乳食: 哺乳瓶、粉ミルク、ベビーフード、離乳食用の食器、使い捨てエプロン。
- 安眠グッズ: 普段使い慣れているタオルケットやおもちゃ(匂いが安心感を与える)。
- 安全対策: 簡易的なベビーサークル(宿泊先で設置できる場合)や、抱っこ紐。
2. ペット用品のリスト
| 項目 | 持ち物 | 備考 |
| 食事 | 普段食べているフード(数日分)、おやつ、食器、水 | 慣れない環境で体調を崩さないよう、必ず普段と同じフードを持参。 |
| 衛生用品 | トイレシート、マナーウェア(犬)、猫砂(猫)、排泄物処理袋 | 宿泊施設の環境を汚さないよう、多めに用意する。 |
| 移動・安全 | ケージ/クレート、リード、ハーネス、首輪(鑑札・迷子札付き) | 災害や緊急避難時にも必要。 |
| 健康管理 | 薬(常備薬や酔い止め)、健康診断書やワクチン証明書、動物病院の連絡先 | |
| 安心グッズ | 普段使い慣れているブランケットやおもちゃ | 匂いで安心感を与える。 |
3. 共通の対策グッズ
- 粘着ローラー(コロコロ): ペットの毛や砂をすぐに掃除するため。
- 除菌シート: 赤ちゃんやペットの手足、食器を拭くために。
- 簡易的な仕切り(ゲート): 宿泊先で危険な場所(キッチンなど)にペットや赤ちゃんが入らないようガードするために。
Ⅳ. 最後の選択:ペットホテル・シッターという選択肢
「どうしてもペット同伴不可の場所に行きたい」「長距離移動は不安」という場合は、無理せずペットを預ける選択肢も検討しましょう。
1. ペットホテル/預け先の選定
- 信頼できる場所: 普段からかかりつけの動物病院が運営するペットホテルや、信頼できる知人に預けるのがベストです。
- 慣らし滞在: 長期間預ける場合は、事前に日帰りや一泊の「慣らし滞在」をさせておくと、本番でのストレスが軽減されます。
- 預け先の確認: 赤ちゃんが生まれてからペットの生活リズムが変わっている場合、そのストレスも考慮し、預け先での過ごし方(散歩、食事、他の動物との交流など)を細かく打ち合わせましょう。
2. ペットシッターの活用
- 自宅での安心: 自宅に来て世話をしてくれるペットシッターは、ペットにとって最もストレスが少ない選択肢です。
- 信頼性の確認: 必ず事前に面談を行い、資格や経験、損害賠償保険への加入状況を確認してから依頼しましょう。
まとめ:準備こそが最高の思い出を作る秘訣
赤ちゃんとペットとの旅行は、通常の旅行の2倍の手間と3倍の準備が必要になります。しかし、その手間を惜しまず、安全面と快適性に最大限配慮することで、家族全員の記憶に残る最高の思い出を作ることができます。
特に、旅先での緊急事態を想定した医療体制の確認や、宿泊施設でのマナーと衛生管理の徹底は、飼い主としての重要な責任です。本記事のチェックリストを活用し、万全の準備で、大切な家族との旅を楽しんでください。


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