はじめに:「時間がない」を乗り越えるための戦略
「赤ちゃんの授乳やおむつ替えで一日が終わってしまう」
「愛犬の散歩時間が減り、愛猫を構う時間もとれない」
赤ちゃんが生まれると、夫婦の時間は激減し、それに伴い愛するペットに費やせる時間も大幅に削られます。特に新生児期から乳幼児期にかけては、「いかに効率よく時間を使い、家族全員の心身の健康を維持するか」が最大の課題となります。
ペットの世話を怠ると、ストレスから問題行動(無駄吠え、破壊行動、粗相など)につながり、育児の負担をさらに増やしてしまいます。
この記事では、「最優先事項」「ルーティン化」「効率的な時間配分」という3つの要素に基づき、赤ちゃんと犬猫の世話を両立するための具体的なタイムスケジュール例と、時間を生み出すための実用的な戦略を徹底解説します。
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Ⅰ. 両立のための「時間管理」3つの原則

限られた時間の中で最大の効果を出すための心構えです。
1. 「最優先事項」の決定:ペットの世話を後回しにしない
多くの親は、泣いている赤ちゃんを最優先しますが、ペットの世話を後回しにすると、夜間の鳴き声や粗相など、後で大きな問題に発展します。
- 散歩と食事: 犬の散歩と食事、猫の食事は、極力、赤ちゃんの生活リズムに組み込むことで、家族全体のルーティンとして定着させます。
- 心の満足: 世話の「量」よりも、短時間でも「質」の高いコミュニケーション(集中した遊び、密着)を優先し、ペットの心の満足度を高めます。
2. 「分割と短縮」による効率化戦略
長い時間を確保できないからこそ、短い時間を有効活用します。
- 散歩の分割: 犬の長時間の散歩は、短時間の排泄散歩(朝・夜)と集中した運動(午後30分)に分割し、赤ちゃんの昼寝時間や夫の帰宅時間に合わせて組み込みます。
- 同時並行: 赤ちゃんの「寝かしつけ」と猫の「ブラッシング」を同時に行うなど、可能な作業は同時並行で処理します。
3. 「デッドタイム」の活用と予測
予測できない赤ちゃんの睡眠や授乳時間こそが、ペットの世話に充てるべき「デッドタイム」です。
- 昼寝時間の固定: 赤ちゃんの昼寝時間を可能な限り固定し、その時間を犬の散歩や猫との遊びに充てる「ゴールデンタイム」と位置づけます。
- パートナーとの連携: 夫婦間で「この時間は私が犬の散歩を担当するから、あなたは赤ちゃんのミルクを用意して」といった役割分担と時間軸の明確化を行います。
Ⅱ. タイムスケジュール例:新生児期(0~3ヶ月)
新生児期は、授乳間隔が短く、最も予測不能な時期です。細切れの時間を活用します。
| 時間帯 | 赤ちゃんの世話(主に妻) | ペットの世話(主に夫・妻) | 両立のコツとポイント |
| 06:00 | 授乳(ミルク/母乳)、おむつ替え | 犬の朝の排泄散歩(10分)、猫のトイレ掃除(夫) | 家族で最も早く起きる人がペットの排泄を済ませる。 |
| 07:00 | 夫婦の朝食、身支度 | 犬猫の朝食、食器洗い(同時並行) | ペットの食事は人間の食事と同時か直後に。 |
| 08:00 | 赤ちゃんの朝寝(短時間) | 犬の簡単な室内遊び(5分)、猫のブラッシング | 赤ちゃんの寝ている間に、集中してペットを構う。 |
| 10:00 | 授乳、遊び、おむつ替え | – | – |
| 12:00 | 授乳、昼寝(長め) | 犬のメイン散歩(30分)、または猫との集中遊び(10分) | 最長で予測可能な昼寝時間を散歩に充てる。 |
| 14:00 | 起床、遊び、授乳 | – | – |
| 16:00 | おむつ替え、夕食準備 | 犬の夕方の排泄散歩(10分) | 夕食準備中、犬をケージやサークルで待たせる練習。 |
| 18:00 | 夫婦の夕食 | 犬猫の夕食 | 食事中はペットを隔離し、落ち着かせるトレーニング。 |
| 20:00 | 入浴、授乳、就寝準備 | 猫との落ち着いた遊び(5分)、マッサージ | 寝かしつけの直前に、猫をリラックスさせる時間。 |
| 22:00 | 夫婦の自由時間 | 犬の最後の排泄散歩(10分) | 寝る前の排泄を確実に行い、夜間の粗相を防ぐ。 |
| 24:00~ | 夜間授乳、おむつ替え | – | 猫の遊び道具は必ず片付け、夜泣き対策。 |
新生児期を乗り切るためのコツ
- 集中遊びの導入: 毎日数分でも、猫じゃらしなど集中できる遊びを行い、猫のストレスを解消します。
- 抱っこ紐の活用: 抱っこ紐で赤ちゃんを抱っこしながら、フロアモップで床の毛を掃除するなど、「ながら作業」を取り入れます。
- 夫の「固定任務」: 夫は出勤前と帰宅後の犬の散歩・食事を固定任務とし、妻が育児に専念できる時間帯を確保します。
Ⅲ. タイムスケジュール例:乳幼児期(6ヶ月~ハイハイ期)

この時期は離乳食とハイハイが始まり、衛生管理と監視が必要になるため、「ゾーニング(空間分け)」と「クイック掃除」が重要になります。
| 時間帯 | 赤ちゃんの世話(主に妻) | ペットの世話(主に夫・妻) | 両立のコツとポイント |
| 07:00 | 赤ちゃん起床、おむつ替え | 犬猫の朝食、犬の排泄散歩(夫) | – |
| 08:00 | 離乳食①、身支度 | 犬猫隔離、食後のクイック掃除 | 離乳食中はペットを隔離し、誤食を防ぐ。 |
| 10:00 | 遊び、おむつ替え | 犬のメイン散歩(30分)、集中トレーニング | 犬にリードを引っ張らないトレーニングを徹底。 |
| 12:00 | 授乳(ミルク/母乳) | 猫との満足度の高い遊び(15分) | 猫の遊びは、赤ちゃんが寝ている間に確保。 |
| 14:00 | 昼寝(午前より短縮) | 掃除機がけ(クイック)と粘着ローラー | 赤ちゃんが寝ている間に、毛とアレルゲンを除去。 |
| 17:00 | 離乳食②、お風呂準備 | 犬猫隔離、犬の排泄散歩(妻または夫) | 離乳食中は必ずペットを別の場所に待たせる。 |
| 19:00 | 夫婦の夕食 | 犬猫の夕食 | 家族全員で食事を終える時間軸を合わせる。 |
| 20:30 | 就寝前の授乳と寝かしつけ | 猫のマッサージとブラッシング | 寝かしつけと猫のグルーミングを同時並行。 |
| 22:00 | 夫婦の自由時間 | 猫のトイレの徹底清掃、犬の最後の散歩(夫) | 夜間、猫がいたずらしないようおもちゃを片付ける。 |
乳幼児期を乗り切るためのコツ
- ゾーニングの徹底: 離乳食中はベビーゲートでペットを隔離し、誤飲と衛生リスクを防ぎます。
- 遊びの質の向上: 散歩は運動だけでなく、ノーズワーク(嗅覚を使った遊び)や知育玩具を取り入れ、短時間で犬の知的好奇心と満足度を高めます。
- クイック掃除の習慣化: 掃除機を出すのが面倒なときは、粘着ローラーとフロアモップを駆使し、「毎日5分で終わらせる」掃除術を取り入れ、衛生状態を保ちます。
Ⅳ. 時間を生み出すための「魔法のツール」リスト
時間がない状況を乗り切るために、便利なツールに頼ることは必須です。
| ツール | 用途と効率化のポイント |
| ベビーゲート | 食事中、授乳中、おむつ替え中のペットの干渉を物理的に防ぐ。 |
| 知育玩具(コングなど) | 犬がこれに集中している間に、飼い主が手を離せる時間を生み出す。 |
| 高性能コードレス掃除機 | 吸引力が強く、ワンタッチで使える。掃除機を出す手間を減らし、クイック掃除の主役にする。 |
| 自動給餌器/給水器 | 決まった時間に自動で食事が出るため、人間の手が空かないときでも、ペットの食事を欠かさない。 |
| タイマー機能付き空気清浄機 | アレルゲンや毛を吸着し、人間が掃除できない時間も衛生管理をサポートする。 |
| 抱っこ紐 | 赤ちゃんを抱っこしながら、簡単な家事や猫のブラッシングを行う。 |
| 自動猫トイレ | 糞尿の処理を自動化し、衛生リスクと飼い主の手間を大幅に軽減する。 |
Ⅴ. まとめ:完璧を目指さず「持続可能」な両立を
赤ちゃんと犬猫の世話の両立において、最も大切なのは「完璧なスケジュール」ではなく、「持続可能なルーティン」です。
- 最優先事項の定義: ペットの排泄と食事は、赤ちゃんと同じくらい最優先とし、家族全員で責任を持って分担します。
- 時間の見える化: 上記のスケジュールを参考に、自分の家庭の状況に合わせて「いつ、誰が、何をやるか」を紙に書き出し、時間軸を明確にします。
- ツールの活用: 便利な家電やグッズに積極的に頼り、人間の労力を減らすことで、心のゆとりを確保します。
無理せず、時には手抜きをしながら、この新しい家族の生活リズムをペットと共に構築していくことが、ストレスフリーな共存への一番の近道です。


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